生活環境を MacBook から Ubuntu@ThinkPad に切り替えて半年ほど経ちます。Mercurial は、MacOSX では homebrew で最新版を追えていたのですが、Ubuntu 12.04LTS の標準のリポジトリは 2.0 系です。普段の使用では差し迫っての必要はない *1 のですが、活発な開発の恩恵を受けられないのはもったいないので、最新版を追ってみることにしました。
LaunchPad PPAからのインストール
Ubuntu で Mercurial の最新版を追う場合、LaunchPad PPA からのインストールと pip を使用する方法の二通り *2 がありますが、今回は LaunchPad PPA を選びました。*3
apt-get でのインストールは、基本的には /etc/apt/sources.list にリポジトリを追記すればよいのですが、今回は GUI のインターフェースである synaptic を使用します。
イントール済みパッケージの削除
バージョンの確認を兼ねて、インストールされている標準パッケージを削除しておきます。
LaunchPad PPA リポジトリの追加
"Mercurial PPA Packagers" team のリリース版ページで、登録する APT ラインを確認します。
deb http://ppa.launchpad.net/mercurial-ppa/releases/ubuntu precise main deb-src http://ppa.launchpad.net/mercurial-ppa/releases/ubuntu precise main
synaptic の [設定] - [リポジトリ] でソフトウェアソースのウインドウを開き、「他のソフトウェア」タブを選択します。
追加ボタンをクリックし、APT ラインを登録します。
sources.list を確認すると、確かに追加されています。
$ grep "mercurial" /etc/apt/sources.list deb http://ppa.launchpad.net/mercurial-ppa/releases/ubuntu precise main deb-src http://ppa.launchpad.net/mercurial-ppa/releases/ubuntu precise main $
最新リリース版インストールの実行
「再読込」ボタンでパッケージ情報を更新すると、最新リリース版の Mercurial が表示されます。必要なパッケージを選択して「適用」ボタンでインストールします。
$ hg --version Mercurial - 分散構成管理ツール(バージョン 2.7) (詳細は http://mercurial.selenic.com を参照してください) Copyright (C) 2005-2013 Matt Mackall 他 本製品はフリーソフトウェアです。 頒布条件に関しては同梱されるライセンス条項をお読みください。 市場適合性や特定用途への可否を含め、 本製品は無保証です。 $
拡張機能を使用する場合の注意
LaunchPad PPA から Mercurial をインストールした場合、拡張機能の apt-get インストールに失敗することがあります。これは標準パッケージとの依存関係を解決できないためです。下記は hgsubversion をインストールしようとした場合のエラーメッセージです。
今回は LaunchPad PPA からインストールしましたが、必要な拡張機能が pip で提供されている場合、Mercurial も含めて全て pip でのインストールを検討した方が良さそうです。
*1 藤原克則氏による「妥当」な Mercurial バージョンの情報によると、2.0.x は『現状でそこそこ妥当な Mercurial の版』であるようです。
*2 もちろん過去エントリのようにソースからの make install も可能です。本気で最新版を追うのであればパッケージ化を待つよりソースからの方が早いですね。
*3 後述のように、Mercurial を LaunchPad PPA からインストールした場合、拡張機能の apt-get インストールに失敗する場合があります。
*4 これを書いている 2013/09/22 時点で既に 2.7.1 がリリースされていますが、LaunchPad PPA には反映されていません。mercurial-ja によると「月例のバグ修正版」とのことなので反映して欲しいところですが、障害修正は2件のみなので必ずしも必要でないかもしれません。
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